2020年10月12日月曜日

「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro OC」の更なるオーバークロックに挑戦

 こんにちは、KENです。

前回RTX 3080搭載グラボを購入したファーストインプレッションを書きましたが、今回はこれをオーバークロックしてみたいと思います。




1. 結論:コアクロック2GHz超えても問題なし・メモリは20.6Gbps程度がベスト

はい、いきなり結論ですが、今回の検証の結果、安定動作する設定はこのようになりました。


【測定時のMSI Afterburnerでの設定】

 Power Limit:109 %

 Temp Limit:91 ℃

 コアクロック:+115 MHz(ブースト1855 MHz)

 メモリクロック:+807 MHz(転送速度20.6Gbps)


メモリクロックは+850MHz(20.7Gbps)までは動作確認、+900MHz(20.8Gbps)では途中で落ちたので、今回の個体では+807MHzであれば安定して動作すると判断しました。

これで帯域としては825GB/sとなります…HBMに迫る広帯域です。

また、コアクロックは自動で上下するので冷却等の環境にも依存するかと思いますが、3D描画時で1850MHz~2025MHzで推移し安定動作していたので、+115MHzとしました。


これでベンチマークテストを実行したところ

 最高温度:83℃

 最高コアクロック:2025MHz

となりました。


2. ベンチマーク結果

さて、このオーバークロックによってベンチマークテストでどれほどスコアが上がったのか見ていきましょう。


3D Mark Time Spy Graphics score:16808→17793(約5.9%上昇)


FF14 最高品質:14194→14553(約2.5%上昇)


FF15:7292→7709(約5.7%上昇)


3D MarkのGraphics scoreやFF15はGPU依存度が高いベンチマークのため、約6%とかなりスコアが上がりました。

一方、FF14はCPUやメインメモリクロックの依存度も高いため、約2.5%の小幅な上昇となりました。


3. まとめ

今回は発売して間もないRTX 3080のオーバークロックに挑戦しました。

この結果から、RTX 3080は更なる高みに到達できたかと思います。

やはりGPUはVRAMの帯域が重要ですね。

ただし、オーバークロックはくれぐれも自己責任でお願いします。


まだまだ品薄感のあるRTX 3080ですが、Amazonでは入荷未定ですが定価で予約を受け付けています。

執筆時点では以下の製品が注文可能となっています。

早くに注文した人から発送されると思いますので、お早めに。

Amazonなので、発送される前にもしどこかで入手できたらキャンセルも可能です。






2020年10月10日土曜日

ついに来た!圧倒的モンスターグラボ「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro OC」レビュー

 お久しぶりです、KENです。

今回は先月発表・発売されたRTX 3080搭載のグラフィックボード「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro OC」を入手したので早速レビューしていきたいと思います。



1. RTX3080は何が凄いの!?

今回のRTX3000系の「Ampereアーキテクチャ」は先代のRTX2000系の「Turingアーキテクチャ」から大きな飛躍を遂げています。

そのためRTX3080の性能はRTX2080の約二倍という、GTX980からGTX1080になった時と同じぐらいの衝撃的な性能向上が実現しました。

その理由を簡単にですが解説します。


①Samsung 8nmプロセスに微細化した

これは当然大きな進化です。

一般的にプロセスルールが一世代進むと同性能を出すのに必要なダイサイズが半分になり、電力も半減、その分を性能向上に使うこともできると言われてきました。

実際にはリーク電流、熱密度などの問題、そもそも○nmという数字が実際のサイズを表していない…などなど、年々この通りにはならなくなっています。

そんな中でNVIDIAはどのように性能を二倍にしたのでしょうか?

それが次に挙げるアーキテクチャの改良です。


②アーキテクチャの改良

RTX 2080のSM(Streaming Multiprocessor)数は46、このRTX3080のSM数は68と、1.5倍にも満たない増加で、RTX2080 Tiと同等でしかありません。

それなのにCUDAコア数はRTX 2080の2944からRTX 3080では8704と劇的な増加を果たしています。

これは従来はINT32専用の演算器とFP32専用の演算器が同数という構成で、FP32の演算器の数を数えていたのですが、このAmpereアーキテクチャではINT32, FP32両対応の演算器とFP32専用の演算器の構成に改められ、この総数を数えることにしたためです。

公式の解説ページ:https://www.reddit.com/r/nvidia/comments/ilhao8/nvidia_rtx_30series_you_asked_we_answered/

そう聞くと「なんだ、数字のマジックか」と思ってしまいますが、もちろんこれにはしっかりとした理由があります。

それはゲームにおいてFP32性能のほうがより重要ということです。

もちろんINT32も使われるのでこの数字の数だけ性能向上はしませんが、これによって二倍の性能向上が実現しました。


とまあここまで小難しい話を書きましたが、何よりも気になるのは実際の性能ですので、組み込んでみて、定番ベンチマークで確認していきましょう。


2. 購入したモデルについて

今回は「Palit GeForce RTX 3080 GamingPro OC」という、RTX 3080のグラフィックボードの中では比較的珍しい長さ30cmを切るモデルを購入しました。

お値段もドスパラで96470円と最安クラスでリーズナブル(真の最安はこれのOCなしモデルですが、数百円ほどしか変わらず、こちらしか在庫がなかったためこれを選択)。

質感は可も不可もなくというところですが、どうせ中が見えないケースに入れるので個人的にはどうでもいいです。

冷却性能も、どのモデルも分厚いヒートシンクと三連ファンを装備しているので似たりよったりではないでしょうか。

ただ、各社それぞれ出している中で「ASUS TUF-RTX3080-10G-GAMING」が冷却性・搭載コンデンサの種類等で一番評判良いようです。

HDMIも2個ついててPalitの次に安くて小さいので、選べる状況だったらこれを買うかな…というところではあります。

販路も色々ありますからね(Palitはドスパラ専売)。



3. Mini-ITXケースへの組み込み

以前はRTX2070の中でも小さいものを「metis plus」という小型ケースの中では有名なものに入れていたのですが、RTX 3080のグラフィックボードでここに収まるものは存在していません。


そのため、ケースを買い換えることにしました。

本当は「Cooler Master NR200」を買いたかったのですが日本で出る気配がなく、ちょうど投げ売りされていた「Lian Li PC-Q50」というケースを買っておきました。

そしたらちょうど日本でNR200が発売されるというニュースを目にしてしまいました…。

今から買うなら間違いなくこちらを買いますね。


気を取り直して組み込んだところ、一つ重大な問題が発生。

ケースの電源取り付け部と電源ケーブルが干渉して付きませんww

ということで電源をケース外に出した状態で仮組みしています。

これについては解決したら追記します。

(追記)

これを付けたらなんとか入りました。

ただ、微妙にテンションがかかっているのがあまりいい気分ではないですね…。


4. ベンチマーク

お待たせいたしました、いよいよベンチマークテストの結果です。

主な仕様はこのとおりです(詳細はこちら)

 CPU:Ryzen 7 3700X

 チップセット:B450(PCIeはGen3動作)

 メモリ:DDR4 3600MHz(CL18) 32GB

このグラボを買う層は4Kディスプレイをお持ちかと思うので、フルHDでの計測はもうやりません。


まずは定番3D Markから

Time Spy 標準設定:15236

このテストは無料版では2560×1440のみ計測可能なので、それしかできません。

ただ、一昔前のこのテストといえば最初のムービーからカクカクでしたが、もうこのままゲームとしてプレイできるのではというフレームレートとなっております。


次はFF14、FF15

FF14 4K 最高品質:14194


FF15 4K 高品質:7292

どちらも4K高品質設定で快適にプレイが楽しめますと思います。

FF14の青いグラフはRTX2070でのフレームレートの推移ですが、さすがに全然違ってきますね。


最後に少しいまいちですがベンチマークモードがあるのでゴーストリコン ワイルドランズ

4K ウルトラ:31.79fps


4K 高:49.23fps

これは…あまり伸びないですね。

なにがいけないんでしょうか。


また、だいぶ前に買ってあまりやっていなかったモンスターハンターワールドも検証しようとしたら、なぜか起動できませんでした。



これは謎すぎます。


その他Apex Legendsはカクつく場面はなくなったものの、そもそもRTX2070でも結構4K60Hzならなんとかなっていましたからね。


その他2,3年前ぐらいのゲームをいくつかやってみましたが、4K60Hzでは性能を持て余して遊んでる感じです。


ワットチェッカーが行方不明なので消費電力は測っていませんが、600WのSFX電源で問題なく動作しているので大丈夫でしょう(750W以上が推奨ですので、できるだけ750W以上のものを使うようにしましょう)。


ただ、部屋の暑さは増したのを実感します。

寒くなってきましたが、家の中で私の部屋だけはまだ半袖で過ごせてます…。


あまり最新のタイトルを持っていないのですが、今後もこのグラボの購入特典のWATCH DOGS LEGIONなどできれば検証していきたいと思います。


5. まとめ

今回は発売されたばかりでまだまだ品薄のRTX3080を入手できたのでレビューしました。

まだまだ使いこなせていないですが、以前使っていたRTX2070と比べると二倍以上の大幅な性能向上をしているので満足度は非常に高いです。

まあ価格も二倍以上なんですが…性能が足りないなら仕方ないですよね。


良いものを買ったことでPCゲームへのモチベーションが上がったので、これからどんどんやっていきたいと思います。

ただ、TGP 320Wというモンスター仕様、それに伴うカードサイズの肥大化は難しい問題です。

また、性能向上もRTX2080比で二倍というのはベストケースで、多くの場合1.5~1.8倍程度かなと思います(それでも十分すごいのですが)。

そうは言っても現状唯一無二の存在なので、4Kゲーミングを楽しみたい方にはぴったりな製品だとおすすめできます。

これを活かし切るためには4K144Hzモニターも買うといいと思います(また10万円飛ぶ)。

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