今回はXiaomi Mi8に所謂eu版MIUIを導入する過程でつまずいたところと、どのように解決できたかを紹介していきたいと思います。
1. なぜeu版MIUIを焼こうと思ったか
まずeu版MIUIとは、xiaomi.euという英語圏の非公式フォーラムが中国版の公式MIUI ROMを基に、中国向けアプリを抜いてGoogle関連アプリをGApps nano相当システム領域にあらかじめ入れて安定動作するようにし、多言語対応したカスタムROMです。
先日公開したMi8の記事では「ショップによって入れられた公式Global Stable ROM」を使用していると書きました。
これは元々はショップのOTAできない怪しいROMが入っていたらeu版でも焼こうと思っていましたが、ちゃんとOTAできることも確認できたのでめんどくさいしいいやと思ったからです。
しかし、この後公式フォーラムに突如このような書き込みがされました。
これはつまり、中国向けのxiaomi端末ではグローバル版ROMが動かなくなる(逆も同じく)ということです。
これがどのように実装されるのか、いつからなのかは今のところ不明ですが、既にAnti RollBack Protectionを実装し始めていることから、これと同様の措置がとられるか、あるいはもっと厳しくハードウェアの情報を見て、既にグローバル版が焼かれていても一切アップデートもできないという状態になるということも考えられます。
このようなことが起こってしまうと結局非公式のカスタムROMを焼かざるを得ず、それならさっさとeu版に行くほうが良いかなと思い、今回挑戦してみました。
2. うまくいったやり方
今回少しばかりつまずいたところがあったのですが、まずはうまくいったやり方を書いておきたいと思います。
※この記事の通りに行っても、必ずしもうまくいくとは限りません。もちろん自己責任でお願いします。
①用意するもの
・ADBコマンドやFASTBOOTコマンドが使える環境
今回の本題ではないので割愛させていただきます。
・Mi Unlock(http://en.miui.com/unlock/download_en.html)
ブートローダーのアンロックをするためのソフトです。
こちらは公式アプリですし使い方もここに書いてあるのとGUIに沿ってやっていけばいいだけなので、割愛させていただきます(私の端末はUnlock済みだったので使用しておりません)。
・Twrp-3.2.1-0611-xiaomi mi8(https://forum.xda-developers.com/mi-8/development/twrp-3-2-1-0611-xiaomi-mi8-t3804101)
カスタムリカバリとして今一番使われているTWRPです。
実はバージョンが肝で、他のものだと起動しないという事態が発生しました。
そのため、こちらのものを使ってください。
・MIUI.eu stable(https://sourceforge.net/projects/xiaomi-eu-multilang-miui-roms/files/xiaomi.eu/MIUI-STABLE-RELEASES/MIUIv10/)
カスタムROM本体です。
今回は「xiaomi.eu_multi_MI8_V10.0.4.0.OEACNFH_v10-8.1.zip」を使いましたが、DLする時期によって違うかもしれません。
②手順
Ⅰ Mi Unlockの指示に従ってブートローダーのアンロックをする
Ⅱ コマンドプロンプトで「fastboot flash recovery TWRP-3.2.1-0611-XIAOMI8.img」→「fastboot boot TWRP-3.2.1-0611-XIAOMI8.img」と入力し、TWRPのインストールと起動をする
Ⅲ フルワイプし、焼きたいROMをインストールする
Ⅳ 再起動
を行い、数分で立ち上がれば正常に焼けたということです。
10分以上かかる場合は何かがおかしいということになります。
(※9/21追記)
今回私はUSB-OTG機能を使ってROMをインストールしました。
TWRPは元がUSB-OTG対応の機種なら、経験上多くの場合OTGが使えるかと思います。
手順はどの機種もだいたい共通で、
①このようなケーブルにROMをそのまま入れたUSBメモリを繋ぎ、本体に挿した状態でTWRPを起動
②MountでUSB OTGにもチェックを入れる
③InstallでSelect StorageからUSB OTGを選択するとUSBメモリ内が表示される
です。
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3. つまずいたところ
今回つまずいたポイントは、TWRPのバージョンです。
まず最初に焼いたのは、xiaomi.euにあったリンク先のTWRPです。
これはTWRPの標準UIからだいぶ改変されておりました。
別にそれだけなら良かったのですが、インストール後に再起動しても一向にpowered by android表示でぐるぐるしているところから抜け出しません。
30分ほど放置してだめだったのでFASTBOOTモードに入ろうと電源+音量下を長押ししたのですが、このような画面がでるだけでFASTBOOT表示にならず通常のブートをしようとしていました。
このとき「うわぁ…これ文鎮化しちゃったかな…EDLモードに入るために分解しなきゃいけないのか…」と思ったのですが、その前にやれることをやってみようと色々しました。
その中で、powered by android表示時に「adb reboot bootloader」を入れてみたところ、なぜか通り、電源OFF時に充電すると出る電池アイコン表示になりました。
そこでまずTWRPをXDAにあった最新のもの(https://forum.xda-developers.com/mi-8/development/recovery-twrp-3-2-3-0-mi-8-t3837745)に変えたいと思い上記のFASTBOOTコマンドを使ったところ、これまた何故か通り、TWRPが立ち上がりました。
その後またeu版Stableを焼いてブート失敗し、今度はROMを変えてみようとXDAにあったLineageOSや公式Global版Bataも焼いてみたのですが、同じくブート失敗でFASTBOOTかTWRPに戻るという状態でした。
これが駄目なら残る原因はTWRPであろうということで、XDAにあったこちらの少し古いものを導入し、またeu版Stableを焼いたところ、ついに起動することに成功しました。
4. まとめ
今回は不確定要素というか、何故こうなったかがよくわからない部分が多いのですが、ひとまずうまくいって良かったです。
ただ、そもそも今回このようなことをやろうと思った動機として、Xiaomiの締め付けが強まってきたということがあります。
もちろん中国向けの機種を海外で使いたいだのROMを自由に焼きたいだのというのはメーカーとしては好ましい物ではないと思いますが、今後Xiaomi機全般としてどうなっていくのか注視していく必要があると思います。
(Mi Pad 4も早くUnlockしたいな…)
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