2022年2月2日水曜日

2022年のコスパハイエンドはこれ! Ryzen 7 3700XからCore i7 12700に乗り換えてみた ②虎徹で冷えるの?DDR4メモリが不安定!?ベンチマーク編

こんにちは、KENです。

今回はCore i7 12700のベンチマークをやってみて、定番CPUクーラーの虎徹でどれほど冷えるのか検証していきたいと思います。


検証環境

CPU:Intel Core i7 12700

M/B:AsRock H670M-ITX/ax (BFBは上限値の150Wに設定)

メモリ:G.Skill F4-3600C19D-32GSXWB (XMPでは不安定だったので3466MHz CL18動作)

GPU:Palit GeForce RTX 3080 GamingPro OC

クーラー:サイズ 虎徹Mark II (ケースのエアフロー上、正規の取り付け向きではなく下から上に空気が流れる配置) + Corsair ML120 (MAX 2400rpm)

ケース:Lian Li PC-Q50 (サイドパネル全開)


1. CINEBENCH R23

まずはCPU性能の定番ベンチ、CINEBENCH R23です。

早速ですが、結果はこちら。


マルチ(1回):21002

マルチ(10分):19548

シングル:1826

見ての通り爆速です。

マルチ(10分)でスコアが低下しているのは、短時間であればMTP (Maximum Turbo Power)の180Wで動きますが、長時間になるとPBP (Processor Based Power)に落ちるためです。

今回のAsRockのマザーボードはBFB (Base Frequency Boost)という機能があり、このPBPを引き上げて実質的にMTPで常時動作させることが可能ですが、この機種は電源回路がそこまで強くないのでこの上限値が150Wとなっています。

ですのでマルチ(1回)ではMTP枠内の165~170Wで動作していましたが、マルチ(10分)では途中でBFBによるPBPでの動作に切り替わり、150Wでの動作となるためスコアが下がったのです。

この時のクロックをHWmonitor上で確認したところ、MTPでは4.6GHz程度であったのに対し、BFBでは4.5GHz程度でした。

また、温度はすぐに90℃付近に行き、MTPでは95℃前後まで行きますが、BFBでは90℃程度でした。

これを冷やせていると言えるかは微妙ですが、少なくともサーマルスロットリングの100℃にはギリギリ到達しない程度で性能を引き出せているので、まあ大丈夫かなという判断です。

ただ、ケースのエアフローにもよるので何とも言えないところですが、虎徹付属の1200rpmファンだと厳しい気がします(Rev.Bは1500rpmみたいですが、それでもまだ厳しいと思います)。

また、BFBで180W以上指定できる場合やMTP190WのCore i7 12700Kでは虎徹運用は厳しいと思います。

そういう意味では、Core i7 12700のBFB 150Wでの運用は虎徹の限界点かなと思いました。


Ryzen 7 3700Xとの比較をやりたかったのですが計測前にバラしてしまったので、ネットに転がってるデータと比較します。

マルチ:12355

シングル:1294

参考:https://www.cpu-monkey.com/ja/cpu-amd_ryzen_7_3700x-929

ということで、マルチで1.7倍、シングルで1.4倍と圧倒的な性能差です。

これだけ性能アップしたのなら買い替えて良かったと思えますね。


また、AMDの現行かつ格上のRyzen 9 5900Xは次のような結果です。

マルチ:21878

シングル:1636

参考:https://www.cpu-monkey.com/ja/cpu-amd_ryzen_9_5900x-1748

シングルで上回っているのはもちろん、なんとマルチでもほぼ並んでいます。

こちらは最安値でも6.4万円ほどですので、2万円も違えばマザーボードに数千円差あったとしてもCore i7 12700で組む方が安くなりますね。

まあDDR5で組もうと思ったら逆転しますが…そこはRyzenはDDR4のみなので比較としてはフェアじゃないです。


それではブーストクロックがPコアで0.1GHz、Eコアで0.2GHz上の、Core i7 12700Kはどうでしょうか。

マルチ:22821

シングル:1939

参考:https://www.cpu-monkey.com/ja/cpu-intel_core_i7_12700k

12700と比べてマルチで8.7%、シングルで6.2%上回っています。

また、オーバークロックすればもう少し差を広げられるでしょう。

ただ、CPU単体の最安値ベースで6500円ほどの差、マザーボードがほぼ同装備のZ690M-ITX/axと6400円ほどの差、更に虎徹では冷やせなくなるので240mm簡易水冷…とするだけの差が果たしてあるのかと考えた時にどう感じるかというところだと思います。

ロマン重視でも良いと思いますが、それをすると今度はDDR5メモリだ、もっと良いマザボだ、電源も変えなきゃだ…となっていって大変な出費の割に得るものが少ないと感じてやめました。


2. FF14ベンチ

次にCPUのキャッシュ性能やメモリ性能が現れやすいFF14ベンチを行いました。

今回はRTX3080購入時のレビューで用いた漆黒のヴィランズと、最新の暁月のフィナーレについて検証しました。

設定は最高品質、解像度はフルHD(ウィンドウモード)と4K(フルスクリーン)で行います。

RTX3080自体は定格動作(微々たるOCモデルなので購入時のOCクロックですがほぼ影響ない程度なのでそのまま)です。

結果は以下の通りです。


漆黒のヴィランズ - フルHD


漆黒のヴィランズ - 4K


暁月のフィナーレ - フルHD


暁月のフィナーレ - 4K


以前のRTX3080購入時の検証では「これからは4Kだけの時代だ!」なんて言って4Kしか取っていなかったのですが、4Kだとそこまで大きな差にはなりませんね。

とはいえフレームレートは確実に向上しています。


フルHDは以前の構成での検証結果を載せていませんが、そこそこの高スコアです。

ただ、Alder lake+RTX3080で30000点超えも見かける中ではイマイチな結果です。

この原因はおそらくメモリにあると思います。

今回XMPで3600MHz CL19のメモリを使ったのですが、電圧を1.4Vまで盛ってもOCCTの負荷テストで落ちてしまいました。

インテル用のOCメモリのはずなのに、まさかのB450より安定しないという…(マザボのQVLにはこのメモリは載っていないので仕方ないですが)。

もしかしたらGear 2にすれば動くかもしれませんがかえって性能低下するので、今回は3466MHz CL18 Gear 1で実行しました。

その結果、巷に上がっている30000点超えのおそらくメモリ設定詰め詰めのスコアには遠く及ばなかったのだと思われます。

一応OCとかしていなさそうなレビューとは互角ぐらいなので、まあそんなものかなと思います。

QVLに載っているメモリであればおそらく更に上を目指せると思いますが、さすがにDDR4を買い換える気はありません。

これについてはオーバークロッカーの清水貴裕さんがYouTube生配信にて、DDR4メモリのXMP認証は旧世代のチップセットで取られているものでその後はマザボメーカーのチューニング次第、今世代ではDDR5と両対応になっていることも相まって発売したての今はDDR4のOCメモリは厳しい状況とおっしゃっていました。

これならいっそDDR5買えば良かったかな…という気もしてきましたが実運用上問題は無いわけですので、しばらくは今のを使い潰します。

あともう少しメモリタイミングを詰められそうな気はしますが、今はやる気が出ません。

もう少しBIOSが成熟したなと思ったらやってみます。

また、この時のCPU温度は60℃に届かない(一瞬超えることはある)程度だったので、虎徹で全く問題なく冷やせていました。


3. まとめ

今回はCPUやメモリ周りの性能を見ていきました。

CPU性能は以前のRyzen 7 3700Xから圧倒的に上がっています。

消費電力もMAXで170Wで虎徹でもファンを高回転のものにすればギリギリ何とかなる程度なので、そこまで爆熱でもないかと思います。

今回行ったFF14ベンチ以外にもAPEX等のゲームを実際にやってみましたが、ベンチマークのように定量的な評価はできないものの、Ryzen 7 3700Xでは初期の物資漁りでも4Kで144fpsでなかったのが144fpsほぼ張り付きで出るようになりました。

元々Zen2はキャッシュ構造上CINEBENCHのような処理はCore i9 9900Kと同等でもゲームのような処理は若干苦手だったと言われています。

Zen3で劇的に改善されてIntelを超えたと言われていましたが、また今回のAlder lakeでIntelが抜き返した形になりました。

更にマルチスレッド性能もRyzen 9 5900Xと同等になり、現状このクラスでは敵無しですね。


ということでSkylakeおじさんは勿論、Zen2お兄さんあたりからの更新にもぴったりの高コスパCPUだと思います。

「Alder LakeのEコアはSkylake級の性能」だそうです。

https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1384533.html

冷却もCore i7 12700の場合、従来のクーラーがリテンションキットで対応できるならそのまま使っても問題ないと思います。

不安ならLGA1700のリテンションキットが最初からついている240mm簡易水冷を購入するのが良いと思います。

メモリもひとクセあるものの、3200MHz以上出る使いまわせそうなDDR4があるならそのままでもいいと思います。

まあSkylakeの初期の2133MHzしか出ないメモリであれば、DDR5にしてしまった方がいいと思いますが。


というわけで、今回の買い替えは概ね満足できました。

次はMeteor Lakeが載せ替えでいけるならそれで延命するか、その次の世代でDDR5で一式組み換えるかというところですかね。

その前にGPUを今年後半に出ると思われるRTX4080(仮)に更新ですね(同時に電源もおそらく買い替えです)。

今残っているRyzen 7 3700X購入時のパーツは電源だけですが、徐々に徐々に買い替えを進められるのも自作の良いところですね。

とか言いつつM1 Max搭載機が気になる今日この頃でした(それもあってDDR4でケチったのもあります)。




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